1/15 Hと電話

去年の春頃、まだ京島という街の銭湯に住んでいたときに、近所の子が、街に滞在したいと言っている大学院生Hを銭湯に連れてきた。横浜の方に住まいはあって、次の秋からはベルリンに留学に行くという。それまでの間なにをして過ごそうかと考えた時に、兼ねてから気になっていた京島で何かプロジェクトをしたいということだった。

Hは1Fの機械室の隅にある部屋を一緒にDIYして住むことになった。それまでシェアハウスがなんとなく上手くいかなったことから新たな住民を募集したりはしていなかったのだけど、Hとは、銭湯のオーナー息子と3人で、毎週火曜日料理をして、銭湯のしめ作業をやって、終わったら一緒に風呂に入ってから、車でレイトショーを観に行ったり、近所の団地を散歩したり、学生みたいな(一応お互い学生ではあったが)、結構最高な時間を過ごすようになった。

 

Hがベルリンに行ってはや半年弱、初めて今日電話をした。ベルリンは、ベンチに2つコーヒーカップが飲んでた状態のまま捨てられてたり、その辺の道に急にソファが落ちてたり、ゴミがかなり落ちていて汚いらしい。でもそれを誰かがそこにいた痕跡として見るととても楽しく、それを配置しなおして、そしたら次の日に誰かが手を加えていたり、という交換ノートみたいなコミュニケーションをしているという話をしていた。

電話しながらキュッキュッと音がしているな〜と思ったらフリマで買ってきた照明を拭いたりしていたようで、途中「えっこれIKEAじゃん…」と落胆の声を上げていた。電話切るとき、良い一日を、はシューネンターグって言うんだよと教えてくれた。なんて言うてたけど、ドイツ語はまだ全く喋れないし喋る気も特にないらしい。かわいい人、私はこの子が本当に好きなんです。

↑ベルリンに向かうH